不眠症/睡眠障害
不眠症/睡眠障害
不眠とは？
不眠とは、精神的なストレスや身体的な苦痛などによって十分に眠れない状態をいいます。
生活リズムの乱れや心配事で寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりする状態は一時的な不眠です。
不眠と一言でいっても、その症状は人それぞれです。
不眠症状は、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害の4つに分類されていますが、1つの症状だけでなく複数の症状があらわれる人もいます。
「不眠症」は睡眠障害があり寝不足になったことで、日中の生活に支障が生じている状態です。
不眠症のタイプ
●入眠障害
床についてもなかなか（30分～1時間以上）眠りにつけない。
●中途覚醒
いったん眠りについても、翌朝起床するまでの間、夜中に何度も目が覚める。
●早朝覚醒
希望する時刻、あるいは通常の2時間以上前に目が覚め、その後眠れない。
●熟眠障害
眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない。
とりあつかい治療薬
エスゾピクロン(ルネスタ）
神経活動を鎮静化し、眠気を促進させるお薬です。スピーディーに作用し即効性が高いため、入眠障害に有効です。また、作用時間が短く、翌日に眠気が残りにくい。
成人はエスゾピクロンとして1回2mgを就寝前に経口服用してください。
比較的安全性の高いお薬です。正しく使用するかぎり、重い副作用はまずありません。ただ、人によっては、翌朝に眠気やめまい、けん怠感や脱力感などが残ることがあります。高齢の人は、転倒にも注意してください。味覚異常もよくあらわれますが、重症化することはありません。
下記に当てはまる方は服用できません。
本剤の成分又はゾピクロンに対し過敏症の既往歴のある患者
重症筋無力症の患者
急性閉塞隅角緑内障の患者
リスミー2㎎
デエビゴ5㎎
覚醒の維持に重要な物質であるオレキシンの働きをブロックすることで自然な眠気を誘発するオレキシン受容体拮抗薬です。本来の眠気を強めるため、中途覚醒や早朝覚醒、熟眠障害に有効です。
またメラトニン受容体作動薬と比較して入眠障害への効果も優れて実感できます。即効性が期待でき、依存性が極めてすくないのも特徴です。
成人にはレンボレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に経口投与してください。
デエビゴの効果は個人差があり、翌朝にも効果が残ってしまって眠気が続いてしまうことがあります。眠気が残る、悪夢、睡眠麻痺（金縛り）などの副作用報告が認められました。
下記に当てはまる方は服用できません。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
重度の肝機能障害のある患者
ロゼレム（ラメルテオン）８㎎
ラメルテオンは体内時計のリズムを整えている「メラトニン」の受容体に作用することで、自然な睡眠を促すメラトニン受容体作動薬です。自然な眠りを強め、総睡眠時間が増加するため、中途覚醒や早朝覚醒、熟眠障害などに有効です。
また、体内時計のリズムが整いやすくなることで、時差ぼけや交代勤務などにも効果があります。
成人はラメルテオンとして1回8mgを就寝前に経口服用してください。
安全性が高く、副作用は少ないです。ただ、人によっては、翌朝に眠気やめまい、けん怠感などが残ることがあるかもしれません。ベンゾジアゼピン系薬で問題となる離脱症状（退薬徴候）を起こす可能性は低く、依存性もありません。
下記に当てはまる方は服用できません。
本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者
高度な肝機能障害患者
フルボキサミンマレイン酸塩を投与中の患者
ベルソムラ
デエビゴと同じオレキシン受容体拮抗薬です。本来の眠気を強めるため、中途覚醒や早朝覚醒、熟眠障害に有効です。
またメラトニン受容体作動薬と比較して入眠障害への効果も優れて実感できます。即効性が期待でき、依存性が極めてすくないのも特徴です。
成人はスボレキサントとして1日1回20mgを就寝直前に経口服用してください。
人によっては、翌日に眠気やめまい、疲労感などが残ることがあります。眠くなくても、注意力や集中力、反射的な運動能力が低下し、自動車運転に影響する可能性がありますから、車の運転をふくめて危険をともなう機械の操作には従事しないでください。
下記に当てはまる方は服用できません。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
イトラコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、クラリスロマイシン、ボノプラザン・アモキシシリン・クラリスロマイシン、ラベプラゾール・アモキシシリン・クラリスロマイシン、リトナビル、ニルマトレルビル・リトナビル、エンシトレルビルを投与中の患者
加味帰脾湯137
不安症状や抑うつ症状を和らげる働きもあります。
寝汗、全身倦怠感、食欲不振などを伴う方にも有用な漢方薬です。
酸棗仁湯103
体力が低下して心身が披露している人の不眠の改善によく用いられる精神を安定させる漢方薬です。
神経症、自律神経失調症による不眠の治療などに用いられます。覚醒と睡眠のリズムが乱れて、夜間目がさえて眠れない、夢見が多い、熟睡感がないといった症状があるような場合に適します。